東京オリンピックが終わり、選手や関係者は2024年パリオリンピックのための準備を始めているのではないでしょうか。
オリンピックでは廃止になる競技もあれば、新競技の採用もあります。
パリオリンピックで廃止になる競技とその理由、新競技は何があるのかと、その採用理由についても調べてみました。
パリオリンピックの廃止競技と理由は?
2024年のパリオリンピックでは、空手、野球・ソフトボールの廃止が決まっています。
2020年12月の東京オリンピックに追加競技として採用されたにも関わらず、それらの廃止はすでに決定していました。空手、野球・ソフトボールがなぜ廃止になったのか、その理由をしらべてみました。
空手廃止理由
2016年、2020年東京オリンピックに空手が初めて正式に新競技として承認されていましたが、その年東京オリンピック開催前に、2024年パリオリンピックで空手は廃止が決定しています。
その理由はおおまかに2つあります。1つは、空手にはエンターテイメント性がない、もう1つは若い世代に対して訴求力ががないということです。
エンターテイメント性と言われると、空手は武術であって娯楽という要素はないですね。
若い世代に対する訴求力といえば、空手形で東京オリンピックに出場した選手の平均年齢は30歳で、女子形で優勝したサンドラサンチェス選手は39歳でした。
サンドラサンチェス選手についてはコチラ↓をごらんください。

出場選手の年齢が高いということはあるかもしれませんが、WKF世界空手連盟の加盟国・地域は200を超えており愛好者は1億3000万人にのぼっています。
若い世代の愛好者も多いし、次のオリンピック開催国のフランスは、柔道と並んで空手も盛んです。
空手がパリオリンピックで廃止になったもう1つの原因は、ルールがわかりにくいというのもあがっていました。
東京オリンピックで採用された組手は、伝統空手で寸止めがルールでした。
しかし、空手組手男子75㎏超級の決勝では、サウジアラビア選手の上段蹴りがイラン選手の頭部に入り、イランのガンジザデ選手は倒れて担架で運ばれる事態となりました。
この決勝は審判による協議で、サウジアラビアのハメディ選手の反則負け、医務室で目を覚ましたイランのガンジザデ選手が金メダルとなっていますが、このような形で勝負が決まり、金メダルをとれてもすっきりしていないようでした。
もうひとつの種目の形も勝敗を分ける採点基準がむずかしく、空手はルールがわかりづらいと言った印象があり、そのこともパリオリンピックで空手が廃止になっている要因のようです。
空手の形ルールについては、コチラ↓をごらんください。

野球、ソフトボール廃止理由
野球とソフトボールが廃止になった理由も2つ考えられます。
1つは、もともと野球が世界的に見ると競技人口が約3,500万人と少なくメジャーではないということです。
世界でのサッカーの競技人口は約2億5,000万人、バスケットボールの競技人口は約4億5,000万人なので、野球はまだまだマイナースポーツだということです。
実際に野球とソフトボールの参加国はどちらも6チームずつだけです。
野球とソフトボールが廃止になったもう1つの理由は、
・1試合の時間が長い
・1チームの人数が多い
・試合会場の建設コストがかかる
などの、ルールやハード面の問題です。競技としては、マイナーなのに、時間もコストもかかりすぎるということですね。
日本にとって野球はメジャーなスポーツですが、世界的に見るとそうではないので、オリンピック開催国にとって野球がメジャーでなければ、球場を建設することもむだになるということでしょう。
しかし、野球もソフトボールもオリンピックに初めて採用された競技ではないので、再度採用されることはあるかもしれませんね。
パリオリンピックの新競技と理由は?

IOC国際オリンピック委員会の新しいルールで、2020東京オリンピックより、開催国が新競技を提案できることになりました。
そのルールにより、東京オリンピックでは空手、野球・ソフトボール、サーフィン、スケードボード、スポーツクライミングが追加競技として採用になりました。
2024年パリオリンピックでは、サーフィン、スケードボード、スポーツクライミングはそのままで、新たにブレイキンが追加競技として採用されました。
ブレイキンが採用された理由は、おおきく分けて2つ考えられます。
・IOCの新競技としてのルールにあっている
・若い世代にアピールできる
それぞれのついてみてみましょう。
ブレイキンはIOCの新競技としてのルールにあっている
IOCのルールでは、今後もオンピックが世界最大のスポーツ大会であるために、その簡素化とコスト削減が求められています。
その観点からすると、ブレイキンは新たな会場を建設する必要がなく、既存の施設で行うことができます。
しかも、大きな会場も必要なく、器具や道具を使ったりしないのでコスト面ではまったく問題ありません。
ブレイキンは若い世代にアピールできる
ブレイキンは、IOCのめざす男女平等と若い世代へのアピールができることと言う点でも、ぴったりのスポーツです。
ブレイキンの歴史は、1970年代にニューヨークサウスブロンクス地区でギャングの抗争を平和的に決着をつけるためにダンスで対戦したのが始まりと言われています。
おたがいに技を見せ合い勝負するうち、抗争心がしだいに相手に対するリスペクトに変わっていくこともあります。
若い世代に人気があり、エンターテイメント性もある、その始まった理由も平和でオリンピックの新競技として認められるのに十分な理由があります。
パリオリンピックの廃止競技と理由は?新競技と理由も調査!まとめ
パリオリンピックでは、空手、野球・ソフトボールが廃止になりました。
空手が廃止になった理由は、エンターテイメント性がない、若い世代に訴求力がないということでした。
野球・ソフトボールが廃止になった理由は、世界的にはマイナーなスポーツであり、試合時間が長い、人数が多い、会場の建設コストがかかるということです。
それから考えると、パリオリンピックでブレイキンが新競技になった理由は、若い世代にアピールできるしエンターテイメント性もある、コストもかからない、納得の理由です。
東京オリンピックで新競技となってパリオリンピックでも採用されたサーフィンやスケードボード、スポーツクライミングは、既存の施設を利用するというIOCのルールにも合っているし、なによりも10代の選手たちの活躍が大きな活力を与えてくれました。
パリではすでに2024年のオリンピック開催に向けて準備が始まっています。
空手と野球・ソフトボールは日本がメダルを獲れる競技なので、パリの次、2028年のロサンゼルスオリンピックには、再度採用されることを期待しています。