ハイチと言えば、常夏の島で、家がカラフルで陽気なイメージがあります。
南アメリカあたりの国だったな~という位の知識しかなく、実際はどのような国なのかはっきり知りませんでした。
実際にはどんな国なのか、治安や歴史について調べてみました。
ハイチってどこにあるの?
ハイチは正式名称を「ハイチ共和国」と言います。
アメリカの南に位置しており、ドミニカ共和国と国境を接しているカリブ海にある島国で、すぐ近くには「キューバ」や「ジャマイカ」があります。
面積は北海道の約3分の1ほどの小さな国になります。
ハイチってどんな国?
ハイチは世界初の黒人による共和制国家です。
気候は熱低海洋性気候に属していて、雨季と乾季がありますがほぼ1年を通じて蒸し暑い気候です。
全体の5%にも満たない白人とアフリカ人の混血である「ムラート」がエリートとされているようで、その他のアフリカ系の人々との経済的格差がかなりあるようです。
首都:ポルトープランス
言語:ハイチ語、フランス語
民族:アフリカ系95%、ムラート、その他5%
宗教:キリスト教95%、ブードゥー教、その他5%
全体の5%にも満たない白人とアフリカ人の混血である「ムラート」がエリートとされているようで、その他のアフリカ系の人々との経済的格差がかなりあるようです。
ハイチの文化
ハイチは識字率が低い国で、そのために音楽が娯楽とメディアの役割を果たしています。
音楽と一緒に黒人舞踊が発達し、ダンス音楽が生まれました。
お隣の国のキューバのように、明るく華やかなダンス音楽で、その音楽はジャズからの影響も受けているようです。
ハイチの歴史
コロンブスがやってきて植民地にする前には、インディアンの「アラワク人」が住んでいましたが、スペインの入植者によって絶滅させられました。
その後スペイン人は黒人奴隷を連れてきて植民地を経営しました。
スペインの力が弱まると、島の西部をフランスが占領していき、島の西側3分の1がフランス領となりました。
そのフランス領だった地域が「ハイチ」となったので、今でもフランス語が公用語として残っています。
独立するためではなく、奴隷の身分から解放されたい一心で1791年に奴隷が立ち上がります。
しかし、サン・ドマングがハイチを立て直そうとしているなか、ナポレオン軍のだまし討ちによって死亡します。
しかし新たな指導者デサリーヌの下で再蜂起した反乱軍は、イギリスの支援もあってフランス軍を追い出しました。そして1804年にハイチは独立を宣言しました。
そして黒人初の共和制国家が誕生しました。
大坂なおみ選手はハイチに関係がある?
大阪出身の女子プロテニス選手の大坂なおみ選手も、実はハイチと関係がありました。
なおみ選手の父親はアメリカ人ですが、ハイチの首都であるポルトープランス出身のハイチ系アメリカ人です。
なおみ選手の父親はアメリカの大学で学んだあと、日本に来られたようです。
二重国籍だったなおみ選手は、最終的に日本国籍を取得しましたが、両親にゆかりのある日本、アメリカ、ハイチの3つの国を代表している事を誇りに思ってプレイをしているそうです。
その影響もあってか、父親の出身地のハイチでもなおみ選手は注目されており、なおみ選手の活躍を地元メディアが大きく報じたり、試合が生中継されたりとハイチの人々にも人気があるようです。
今回もウィンブルドンを欠場されたなおみ選手でしたが、東京オリンピックの出場は出場すると発表されました。
その理由も「日本は自分が生まれた国であり、大切な母国だから」という事でした。
自分のルーツを大切にし、誇りに思ってるなんて素敵ですね。
日本人であることが普通になっていて何も意識していない私も少しは見習わないとなと考えさせられました。
ハイチの治安は悪いの?
在ハイチ日本国大使館の情報では、現在「不要不急の渡航は止めてください」というレベル2の危険度にされています。
2016年までは「渡航は止めてください」というレベル3の危険度から下がっているので、以前より治安が落ち着いたのかもしれませんが、大統領暗殺でまた治安が悪くなったかもしれません。
以前私が南アメリカのパナマに行ったときには、窓の外から毎日銃声が聞こえました。
さらにパナマ出身の女性がずっとポケットに手を突っ込んでいるので理由を聞くと、「急に襲われても対応できるように催涙スプレーを持っている」のだと言っていました。
日本ではありえない話ですね。
そのパナマの危険情報を見てみると、一部だけハイチと同じレベル2で、そのほかに「十分注意」のレベル1の表示もありましたが、ほとんどの地域が問題なしという情報でした。
危険情報にさらっと「銃器を用いた殺人等の凶悪事件が発生しているので十分注意してください」などと注意喚起をされているけれどもその地域はレベル1の危険度と記されています。
そう考えると、全土が危険レベル2のハイチの治安が良くないことが想像出来ますね。
ハイチは独立後も内戦、独裁、クーデターが何度も繰り返され、西半球で最も貧しい国と言われているようです。
その理由のひとつが、ムラートと呼ばれるエリートクラスの人々が入植者の富を引き継いで新しい体制を作り、そこに大きな貧富の差が生じてしまっているからのようです。
大きすぎる経済的格差と、貧困からの脱出の対策がないと、治安が良くなることは難しそうですね。
ハイチ共和国ってどんな国?治安が悪い?のまとめ
今まであまり知らなったハイチについて調べましたが、明るい音楽とは裏腹に、国の内情はあまりよく内容でした。
貧困から脱出することは時間をかけなければ難しい問題だと思いますが、いつか気軽に観光に行けるような国になって欲しいと願っています。