奈良国立博物館で毎年東大寺の正倉院の宝物の中から数点を選んで公開されている「正倉院展」は、奈良国立博物館の目玉イベントです。以前は漫画「ヒカルの碁」にも登場した平安時代の囲碁が展示されたこともありました。毎年正倉院を観るためのツアーも組まれるほどの人気っぷりですが、今回はコロナの影響もあり当日券は発売されないようです。この記事では正倉院展のチケットの取得方法と、第73回正倉院展に出展される目玉展示品を紹介します。
正倉院展2021年度は前売券だけで当日券の販売がない!
2021年の奈良国立博物館の正倉院展は10月30日(土)~11月15日(月)まで開催されます。
以前は正倉院展の入場は当日でも可能でしたが、コロナの影響で第73回(2021年)のチケットは当日券の販売がありません。
ふらっと奈良に観光に来て、「ついでに正倉院展も見てこよう」と思っても、受付口での購入は出来ず、コンビニで翌日以降の観覧券しか購入できないので注意してください。
正倉院展(2021年度)のチケットの取り方
販売は前売りのみで、ローソンの独占販売になっているようです。
購入方法は3通りあります。
- ローソンかミニストップの店舗内にある端末機「Loppi」で予約後店頭へ行き発券
- パソコンにてローソンチケットのHPで予約後、ローソンかミニストップの店舗にて発券
- ローソンチケットに電話で予約後、ローソンかミニストップの店舗にて発券
ローソンのチケットは、引き取り方法が配送や電子チケットなどにも対応しているようですが、奈良国立博物館の正倉院展のチケットはそれらに対応していないようです。
個人で購入される方は、上記3通りのどの方法で予約をしても、最終的にはローソンに行き店頭に設置している端末機で発券して、店頭での支払いが必要になります。
正倉院展のチケットの一番簡単な予約方法は?
予約方法は3通りありますが、結局一番簡単な予約方法はどれなのでしょう?
普段からコンビニでチケットを購入していて画面タッチ操作に慣れている人は、店舗に直接行き、Loppiで予約と発券を済ませる方法が一番楽だと思います。そのまま店頭へ行き支払いを済ませるので、コンビニだけで作業を終わらせることが出来ます。
コンビニ予約に慣れていないなく、人と会話することに抵抗がないならば、電話予約後店舗での発券をおすすめします。
コンビニで予約をした人は経験済みかもしれませんが、端末で販売されている商品の数はとても多いです。慣れていなければどこを選択したらいいかと迷っていしまい、時間がかかってしまう事も結構あります。
Loppiは、支払い前に発券のために必ず利用しなければいけませんが、利用手順を少なくしたいということならば、電話予約が一番いいと思います。
Loppiの操作方法が分からない場合も、電話予約時に質問しておけば、その後の手順を教えてもらえるのでスムーズにいくと思いますよ。
- Loppi端末操作に慣れている人 → 店舗にて予約と支払いをまとめてする 一番ラク!
- 人との会話に抵抗のない人 → 電話にて予約後店舗端末で発券、店頭で支払い
正倉院展のチケットの値段
正倉院展の値段を一覧でご紹介します。
前売券は、売り切れ次第販売終了になってしまうので、予定を決めている方は早めに購入されることをおすすめします。
一般券 | 2,000円 |
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高大生券 | 1,500円 |
小中生券 | 500円 |
キャンパスメンバーズ 学生券 | 400円 |
研究員レクチャー付き鑑賞券 | 3,000円 |
無料指定券 障害者1名 | 無料 ※発券は必要 |
無料指定券 障碍者1名+介護者1名 | 無料 ※発券は必要 |
無料指定券 奈良博プレミアムカード | 無料 ※発券は必要 |
一般券・研究員レクチャー付き鑑賞券以外を購入される場合は、当日に割引対象者であることの証明が必要になりますので忘れずに持参してください。
こちらの料金は正倉院展の観覧のみの金額になるので、名品展の展示物は観る事が出来ません。
しかし、プラス200円と通常より安い値段で追加で鑑賞できるので、時間があるようでしたら覗いてみてもいいと思いますよ。
正倉院展2021年度の出展品(一部)の紹介
奈良国立博物館のHPでは詳しく紹介されていますが、こちらでは第73回正倉院展でお披露目される宝物を簡単に紹介します。
螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)
【#出陳宝物紹介】
正倉院を代表する宝物の一つである螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)は、貝殻や琥珀(こはく)などを使って唐花文やインコが表わされた豪華な逸品。華やかさに目が奪われますね👀✨#正倉院展 #奈良国立博物館 #奈良https://t.co/ZJcpgOZgdK pic.twitter.com/lhqdZ4ditQ
— 第73回正倉院展 (@shosointen) September 10, 2021
「竹林の七賢」と呼ばれる阮咸が愛用していたという話から阮咸という楽器名になりました。
円形の胴部分で4絃ある琵琶で、胴部に夜光貝などを埋め込んで(螺鈿)材木は紫檀で出来ており、2羽のインコの姿もある豪華な楽器になります。
学校の教科書でよく紹介されている螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんごげんのびわ)とサイズはそれほど変わらないようですが、こちらの螺鈿の方が赤が映えているように感じます。
漆金薄絵盤(うるしきんぱくのえのばん)
第73回正倉院展には、どのような宝物が出陳されるのでしょうか?
主催の #奈良国立博物館 と #正倉院展 の各公式アカウントでツイートされる宝物の紹介をまとめます(随時更新)https://t.co/dWrwKO9qt5
— 第73回正倉院展 (@shosointen) September 8, 2021
蓮の花をかたどった台座で、裏面に「香印坐」と書かれていたことから、仏前にそなえる香炉の台として使用されていたと考えられています。
蓮の花びらには金箔や顔料で唐草模様のような宝相華やおしどり、獅子、別名ガルーダとも呼ばれる迦陵頻伽(かりょうびんが)などの文様が描かれています。色も金色や赤、緑ととてもカラフルで見ごたえがあります。
白瑠璃高坏(はくるりのたかつき)
【#出陳宝物紹介】
白瑠璃高坏(はくるりのたかつき)中近東ないし地中海東岸(シリアやエジプトなど)で作られたローマンガラスもしくは初期イスラムガラスで、当初の形と光彩を今に伝える世界的な名器です。#正倉院展 #奈良 #奈良国立博物館https://t.co/ZJcpgPgR5i pic.twitter.com/Zu6PFA09kK
— 第73回正倉院展 (@shosointen) September 23, 2021
黄色味をおびた透明ガラスの高坏で、大仏開眼会に奉納されていたとされています。
中近東か地中海東岸で作られたローマンガラスもしくは初期のイスラムガラスで、世界的に価値の高い名器です。
シルクロードとの交易を実感することの出来るガラスの高坏をぜひ実際に見てみてください。
青斑石硯(せいはんせきのすずり)
【#出陳宝物紹介】
青斑石硯(せいはんせきのすずり)正倉院に伝わる唯一の硯。
記録によれば、大仏開眼会(だいぶつかいげんえ)の翌年(天平勝宝5年/753)に、筆や紙と一緒に「研」(硯)が東大寺に献納されたといいます。#正倉院展 #奈良 #奈良国立博物館https://t.co/ZJcpgOZgdK pic.twitter.com/B8C511M29Y— 第73回正倉院展 (@shosointen) September 17, 2021
正倉院に伝わる唯一の硯。硯本体は陶器で、蛇紋岩(青斑石)にはめ込んでおり、それを木製の台に載せてあります。台が寄木細工や象牙で飾られていて、見た目も美しいんです。
記録から推察すると、大仏開眼会の翌年に東大寺に献納されていたものと考えられています。
この他にも織物や古文書など多くのジャンルの宝物が50件以上展示されます。
当日は混み合って説明などをゆっくり読むことが出来ない可能性もあるので、予習をしていくことをおすすめします。
少しでも予習して行くと説明を読む時間を短縮して展示物をじっくり見る事が出来ますし、見るポイントが分かっていたら楽しくなるのでおすすめですよ。
正倉院展2021年度は事前チケットが必要?チケットの取り方や出展品を紹介!のまとめ
今回は以前と変わってしまった正倉院展のチケットの購入方法やおすすめの購入の流れや今回出展される宝物の紹介をさせていただきました。
正倉院宝物はとても古い品なので、耐久性や保存条件などを考慮して長期間の展示が出来ません。
一年に一度しか開催されないこともあり、混雑も予想されます。鑑賞される場合はマスクなどしっかり対策をとって、芸術の秋を楽しんでください。