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【画像】一万円札の歴代人物やデザイン全種類まとめ!渋沢栄一はいつから?

【画像】一万円札の歴代人物やデザイン全種類まとめ!渋沢栄一はいつから?

一万円札といえば、「諭吉」という呼称で呼ばれることの多い福沢諭吉がデザインされたものが一般に知られたものですよね。

では、過去に使用されていた一万円札に印刷されていた人物は誰だったのでしょう?

また、歴代一万円札の表・裏のデザインがどんなものだったのか、その画像があればぜひ見たいですよね。

そこでこちらの記事では、一万円札の歴代人物やデザインを全種類まとめてみました。

新一万円札の渋沢栄一デザインがいつから流通するのか?も併せてご紹介しますね!

一万円札の歴代人物は誰?

過去から現在に至るまで、一万円札に描かれていた歴史上の人物を古い順に並べてみました!

名前 人物 開始時期 停止時期
C号券 聖徳太子 1958/12/1 1986/1/4
D号券 福沢諭吉 1984/11/1 2007/4/2
E号券 福沢諭吉 2004/11/1 発行中
渋沢栄一 2024年前半期〜

意外にも、渋沢栄一がデザインされた新一万円札が発行されるまでは、歴代の一万円札に描かれた人物は2人だけだったのです。

教科書ではおなじみの聖徳太子が初の一万円札に。

福沢諭吉については、過去2代に渡って一万円札に印刷されています。

そもそも一万円札が日本に流通するようになったのは、以下2つの理由がありました。

  • 敗戦後のインフレによって通貨単位が「銭」→「円」へと変わったため
  • かつては国家予算並に貴重な単位だった「万」が、商人の間の取引レベルで登場し始めたため

一万円札が初めて世に流通した1958年当時、大学卒の初任給は1万3000円ほど。

そのため「そもそもこんな高額な札は必要なのか…?」という議論がなされたようですが、高度経済成長により順当に流通量が増えていった、という背景があります。

今となっては広く普及している一万円札ですが、意外にもその歴史は60年ほどしかないんですね。

【画像】一万円札の歴代人物デザイン全種類まとめ

次に、一万円札の歴代人物やデザインを全種類ご紹介していきます!

初代:C号券「聖徳太子」

人物 聖徳太子
開始時期 1958/12/1
停止時期 1986/1/4
鳳凰

日本初の一万円札に載ったのは、聖徳太子。

裏面には、中央の空白部分を挟んで、左右に鳳凰が描かれています。

この鳳凰は、平等院鳳凰堂の内部にある円柱に描かれている鳳凰模様を基にしたデザイン。

透かしには法隆寺夢殿が描かれています。

表:

【画像】一万円札の歴代人物やデザイン全種類出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/

裏:

【画像】一万円札の歴代人物やデザイン全種類出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/

聖徳太子が選ばれた理由

また、これまでたくさんの偉人がいた中、なぜ1400年以上も昔の人物・聖徳太子が一万円札に描かれたのか?という理由はご存知でしょうか?

ここで例として歴史上の偉人を挙げてみると…

  • 徳川家康
  • 織田信長
  • 豊臣秀吉
  • 西郷隆盛
  • 武田信玄
  • 上杉謙信
  • 鑑 真
  • 藤原道長

このように、歴史に名を連ねてきた人物はたくさんいますよね。

ただ、この中で「天皇を助けた人物」は誰もいないのです。

皆、特に戦国時代だと自身の名を上げるべく「天下をわがものにしよう」と活躍してきた人物ばかり。

天皇を助け、天皇中心の仕組みづくりを考えた聖徳太子だからこそ、一番初めの一万円札に選ばれたのだと言われています。

2代目:D号券「福沢諭吉」

人物 福沢諭吉
開始時期 1984/11/1
停止時期 2007/4/2

2代目の一万円札に描かれたのが、多くの人に親しまれている福沢諭吉。

聖徳太子がデザインされたC号券の発行から20年以上が経過したころに発行されました。

ちょうどこの頃、印刷技術の発展により偽造札・いわゆる「ニセ札」が多く流通するようになったことから、新しいD号券が発行されるように。

裏面の両側には国鳥である雉(きじ)のつがいがデザインされています。

左側に立っているのが雌、右側に座っているのが雌です。

表:

【画像】一万円札の歴代人物やデザイン全種類出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/

裏:

【画像】一万円札の歴代人物やデザイン全種類出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/

福沢諭吉が選ばれた理由

聖徳太子の次に福沢諭吉が一万円札に選ばれた理由は、

「最高券面額として、品格のある紙幣にふさわしい肖像であり、また、肖像の人物が一般的にも、国際的にも、知名度が高い明治以降の文化人

出典:https://money.rakuten.co.jp/woman/

だとされています。

D号券の一万円札が発行された1984年当時は、バブル景気である1986年を数年後に控えた時代。

国内での経済成長が停滞し、海外への輸出が盛んになり始めた時期でした。

そのため「海外でも国内でも名のしれた文化人」ということで、福沢諭吉が採用されたと言われています。

今となっては一万円札の単位として「諭吉」と呼ばれるほど、広く日本人に馴染みのある一万円札となりましたね。

3代目:E号券「福沢諭吉」

3枚目の1万円札にも、福沢諭吉が続投となっています。

人物 福沢諭吉
開始時期 2004/11/1
停止時期 発行中
平等院の鳳凰像

D号券の発行から20年が経過し、偽造技術が更に発展したことからデザインも一新されることになりました。

偽装防止として、表から見て右側の紙が薄くなっている「すき入れバーパターン」と、見る角度によって金属箔に刻まれた絵柄が変わる「ホログラム」という技術が採用されています。

表:

【画像】一万円札の歴代人物やデザイン全種類出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/

裏:

【画像】一万円札の歴代人物やデザイン全種類出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/

福沢諭吉だけお札のデザインが変わらなかった理由

お札に描かれれる人物は、だいたい20年スパンで変わっていきます。

例に漏れず、1000円札も夏目漱石から野口英世へ、5000円札は新渡戸稲造から樋口一葉へ変更しました。

ただ、一万円札の福沢諭吉だけが変わらず…。

この理由については公にはされていませんが、

当時の総理大臣だった小泉純一郎さんが、福沢諭吉を変更することに大反対した

というお話は有名です。

小泉純一郎さんは福沢諭吉が創立した慶応義塾の大学出身で、福沢諭吉を尊敬していると言われています。

また他にも「特徴的な顔の福沢諭吉は偽装がしにくいから変更しなかった」という説も有力です。

もっともらしい理由としては、「福沢諭吉はもともと偽造しにくいから変更しなかった」というもの。

そのような理由から、一万円札だけは他のお札と違い、肖像画はそのままで、偽装技術だけ新しいものを取り入れるようにした、と言われています。

福沢諭吉は、いまや聖徳太子と並ぶ万札にふさわしい最高位クラスの人物なんですね。

4代目:新一万円札「渋沢栄一」

人物 渋沢栄一
開始時期 2024年前半〜
停止時期
東京駅

4代目の一万円札が、渋沢栄一。

明治時代以降の文化人から選ぶという考えに則り、渋沢栄一が採用されました。

渋沢栄一は第一国立銀行(現:みずほ銀行)など数多くの企業を設立。

日本の資本主義の父」と言われ、2021年大河ドラマ「青天を衝け」の主人公にもなっていますね。

「日本国外問わず多くの国民に親しまれている文化人」として最適な人物だと言えるでしょう。

裏面には、東京駅の丸の内駅舎が描かれています。歴代の鳥シリーズからは一新されました。

偽造防止としては世界初の技術が採用されており、紙幣を傾けると立体的に肖像が浮かび上がるホログラムが施されているとのこと。

まさに新時代の紙幣です。

新一万円札の渋沢栄一はいつから?

福沢諭吉の一万円札から渋沢栄一デザインの紙幣に変わるのは、2024年度初期を予定しています。

2019年4月5日、政府が「2024年度の上半期をめどに、千円札、5千円札、1万円札の新札(新紙幣)を発行する」ことを発表しました。

2021年9月2日には、日本銀行にて新一万円札の印刷が開始したことがニュースになっています。

ちなみに、他の1000円札や5000円札も肖像画が以下の通り一新されます。

  • 1000円札
    野口英世→北里柴三郎
  • 5000円札
    樋口一葉→津田梅子

北里柴三郎は日本の「近代医学の父」として知られており、主に感染症予防・細菌学の研究の発展に注力してきました。

5000円札となる津田梅子は、津田塾大学の創始者であり、主に女子の英語教育に大きく貢献しています。

5000円札は樋口一葉に続き女性の肖像画です。

旧一万円札は現在でも使える?

聖徳太子や福沢諭吉が描かれた旧・一万円札は、発行は停止しています。

ただ、現代でも通常の金銭的価値ある紙幣として普通に使用することができるんですよ。

その理由として、

一度発行された銀行券は、特別な措置が取られない限り、通用力を失うことはない」

出典:https://www.takakuureru.com/

と法令でしっかり定義されているためです。

ただ旧・一万円札はものによって一万円以上の価値がついている場合がありますが、使用する場合は一万円以上の価値はないので気をつけましょう。

福沢諭吉の一万円札の歴史は40年以上にもなりますし、どうしても一万円=諭吉のイメージが強いのが正直なところ。

しばらくは福沢諭吉の一万円札を使用する人が多そうですね。

一万円札の歴代人物は誰?まとめ

歴代の一万円札の人物やデザインについてご紹介してきました。

1000円札やその他紙幣は過去にさまざまな偉人が描かれてきていますが、意外にも1万円札はまだ歴史が浅く、描かれた人物も聖徳太子と福沢諭吉のみでした。

渋沢栄一の新一万円札の時代になっても、旧一万円札は引き続き使用が可能です。