先日、国後島から亡命のために泳いできたというロシア人男性が事情聴取を受けているというニュースがありました。
ロシア人男性に声をかけた住人によると、カタコトの日本語で国後島から亡命してきたと言っているようですが、その住人が不審に感じた点がいくつかあったようです。
こちらでは、国後島から北海道までどのくらいの距離なのか、本当に泳いで来れる距離なのか、亡命目的ではない可能性やこの後ロシア人男性はどうなるのかを予想を含めて書いていきたいと思います。
亡命したと言うロシア人男性を見つけた事件の経緯
ニュースによると、8月19日午後5時頃、北海道中標津町の中標津警察署標津駐在所前で外国人が立っているのを不審に思った町内の男性が宿を探しているのかと声をかけた事がきっかけでした。
町内の男性がロシア人に英語を話せるか尋ねたところ、カタコトの日本語で国後から泳いできて、パスポートがないことを告げられたそうです。
そこで男性は重大な事態と考えて中標津署に通報しました。
北海道警はロシア人から事情を聴いたのち、札幌出入国在留管理局にロシア人男性の身柄を移送したようです。
国後島はどこにあるの?
国後島は、ロシアとの北方領土問題になっている4島のうちのひとつの土地で、択捉島に次いで2番目に大きな島です。
北海道との距離も、歯舞群島と並んで近い距離にあり、知床や標津から目視で確認可能な島です。
北海道から国後島までの距離は?泳いで渡れるの?
北海道の知床まで行けば、国後島を間近に見る事は出来ますが、実際に泳いで渡る事は可能なのでしょうか。

Google mapで調べてみると、標津駐在所から国後島まではおおよそ25キロでした。
東京駅から横浜駅までが直線距離で28キロほどなので、かなりの距離を泳いだことになりますよね。
本当にそのような長距離を泳ぐことが出来るのでしょうか。
ヨーロッパでは、イギリスとフランスの間にあるドーバー海峡の遠泳がありますが、その距離が最短で34キロになります。
そう考えると、25キロを根性で渡るということは無理ではなさそうですね。
亡命を希望しているロシア人は本当はスパイなのでは?
ロシア人の様子を調べてみると、少し不審に思う情報がありました。
ロシア人男性を発見した日本人の証言によると、海を泳いで渡ってきたと言っている割に服は濡れていないだけではなく汚れてもおらず、帽子や眼鏡も身に着けてスニーカーをはいていたそうです。
さらに小さなリュックサックをかついでひもでつるした小袋まで持っていたというのですから、泳いできたと考えると結構な量の持ち物ですよね。
さらにロシア人男性は、不織布の白いマスクまでしていたそうです。
亡命をするという時にコロナを考えてマスクまで持ってきているとは、とても律儀なロシア人ですね。
亡命希望のロシア人がスパイだと疑う理由1
東京オリンピックが始まる頃から、ロシアの情報機関が東京大会の関係団体を標的にサイバー攻撃を行っていた事をイギリス政府が発表しました。
ロシアは選手団がオリンピックから排除されているので、その報復目的の妨害でなはいかと言われていますが、理由は分かりません。
現在は東京オリンピックが終わり、パラリンピックが始まる間の期間なので、何かを仕掛けるためや、情報収集のためにやってきたという可能性も否定出来ません。
亡命希望のロシア人がスパイだと疑う理由2
ツイッターでは、北方領土問題を挙げて、このロシア人の対応が難しい事を伝えている人もいました。
亡命希望のロシア人が北海道に 「国後島から泳いできた」(共同通信)#Yahooニュースhttps://t.co/cMtNSyH9B7
どうやらこういうことのようで pic.twitter.com/hlWIbfHy4A
— ちょこえーP@イネカツ!2021シーズン (@chocoace_md) August 21, 2021
そうか、自称国後島から泳いできたロシア人に亡命手続きすると、国後島をロシア領と認めてしまうことになるのか。何という事案だ。
— ムラ (@kt_ns4869) August 22, 2021
「国後島」からのロシア人の亡命を認めると、国後島という島はロシア人の領土だと日本側が認めることになってしまう事になるので、それを狙っているのではないかという考えです。
ただそのロシア人がスパイかどうかの問題は、気にしなくてもいいようです。
地元メディアで男性の出身や、土地の無償提供の制度で国後島の泊港の近くの「ドゥボボエ村」に移住したこと、港湾労働やトラクターの運転の仕事をしていたなどの個人情報が報道されているようです。
もし亡命希望のロシア人がスパイだとしたら、こんなに多くの情報は流れないでしょうから、スパイの可能性は低そうですね。
どちらにしても日本に亡命を希望しているとのことなので、日本側には難しい問題に違いはなく、慎重に対応しなければならない案件のようですね。
亡命希望のロシア人は、この後どうなるの?
現在は札幌出入国在留管理局が事情を聴いており、その後一次庇護で上陸を許可するか、本国へ送還するかを判断するようですが、難民認定されるのは難しいと思います。
日本は、現在難民を受け入れる姿勢をとっていますが、難民認定率は0.4%ほどととても低いのが現状です。
日本は難民の定義が狭いため、難民認定率が低くなっているようです。
国後島から渡ってきたロシア人の亡命希望の理由は二転三転していて、はっきりとした理由が分からないようです。
そう考えると、北方領土問題の交渉をしたい日本としては、ロシアの機嫌を損ねたくないと考えるでしょうから、一時庇護の可能性はあっても、日本への亡命は出来ないのではないかと考えます。
命してきたロシア人は本当に国後島から泳いできたの?本当はスパイ?のまとめ
亡命してきたロシア人は国後から泳いでくる事は事実上可能だけれども実際に泳いできたかは怪しかったですが、スパイの可能性は低いと推測しました。
ロシア人男性の亡命希望の理由はまだはっきりしていないようですが、今後の日本の対応も気になりますね。